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マエストロと破滅の迷宮(その8:不屈・執着・薄氷・夢)

総力戦に敗れて帰城したのち、マエストロは幾日も執務室から姿を現さず、
食事もとっていなかった。

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「今日こそは何としても、マエストロにお食事をとっていただきます。それっ皆さんっ!!」

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「うおー!」

兵士にドアを破らせ、カルメンが執務室に踏み込んだ時、

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マエストロは、意外にも、机に向かっていた。

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『なんだ?もう朝食の時間か?』

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「え?」

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「はぁ?・・・『朝食の時間か?』じゃないですよ、マエストロ!!あれから何日たったと思って・・・」

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「マエストロ、まさか、帰ってからずっと・・・研究を?」

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『・・・・・・うむ。そうだが?』

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「『そうだが?」・・・って、茫然として帰城なさって、それきり部屋から出てこられないから」

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「俺たちてっきり・・・その・・・戦いをあきらめてしまわれたのかと」

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『バカをいうな。総力戦に敗退するのは地球でも経験済みだ。』
『兵力どころか、拠点ごと失ったことも、騎士団の存在意義そのものが揺らいだこともあったのだ。』
『「ともに戦う」と言ってくれる騎士たちと、城と、低賃金でいくらでも湧いてくるお前たちがいて、』
『なぜ絶望などするものか!!』

『・・・そんなことより、試したいことが出来た。お前らちょっとついてこい!』

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「は・・・ははっ!」

発言の一部に釈然としないものを覚えつつも、なぜか心が浮き立つのを抑えられない兵士達だった。

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「あー、ちょっとマエストロ!ごはん、ごはん!食べないと頭もまわりませんよー」



マエストロの意気軒昂といえども、客観的にみて、状況はやはりかんばしくなかった。
すでに動員能力は限界であったし、仮にあと数人の騎士の参戦を得て動員能力がさらに向上したとしても、
前回2連発だったウィザーを、もし、3度以上放たれれば、総数に関係なく潰走・潰滅してしまうだろう。

そしてそれは十分にありえることだった。むしろ、前回3発目がでなかったのが不思議だったぐらいだ。

多数の騎士たちに多大な負担を強いて、単なる「運試し」を繰り返すわけにはいかないと、
マエストロは考えていた。



「いえ、マエストロ。仮に連戦連敗であったとしても、そのこと自体は問題ではないのです。」

そう語った騎士がある。

「次の戦いに、何か前回より工夫があって、何歩かの前進があれば良いのです。」



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マエストロは、DD卿と従者たちを伴いファイア・ダンジョンにいた。
目的はリッチ・ロード達、墓地に佇む彼らを刺激しては、何かを検証しているようだった。

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『~だと、・・・なのですが、--だと・・・』

「ほう、なるほど。たしかに・・・しませんな。」

『実戦でどうなるかは試してみないと分かりませんが・・・』

「ええ・・・しかし、期待は出来そうですな。」

さらに数日の時を費やして、さまざまな調査を行った結果、
マエストロは、ようやく、ある確信へと至った。



第4次DOOM侵攻作戦発動。騎士団は3度、ダークファーザーに勝負を挑んだ。

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前回と同じ地底湖畔。ほぼ同数・同質の兵力。
まったく同じ作戦にしか見えないこの状況に、兵士達は不安を隠せなかった。

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「これって、つまり「無策」ってことなんじゃないのか?」

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「運よく、ダークファーザーのヤツがあまりウィザーを打たないでくれたら・・・ってことか。」

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「こりゃ、死んだな、俺たち。思ったより早く、第3次の連中と再会することになりそうだぜ。」

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「俺はいやだ。いや、兵士だから戦って死ぬのは覚悟してる。でも無能な指揮官に無意味に死なされるのは」

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『あーあー、あー、兵士諸君。これから本作戦について説明する。』

静まる兵士達、全員が、生還への光となる、新たな策を授けられることに期待していた。

『基本的には、前回と同じだ。ただ、ひとつだけ、前回しなかったことをする。』

さらに静まる。幾人かが思わず飲み込んだ唾の音が大きく響いた。

『・・・開戦前に・・・私が汝らに・・祈りと祝福を授けよう。』

300人分の失望のため息が、対岸まで響くほどの大きさで漏れた。

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「やっぱ「運ゲー」か・・・」

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神頼みって・・・、そんなの策じゃねぇよ。」

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『オイ、お前ら。』
『我らは聖騎士団である。祈りを軽んじるなどもってのほか。それとも今すぐ殉教者の列に加わりたいか?』

『・・・心配するな、気休めなどではないぞ、お前達の神(システム)に供物を捧げて加護を請うのだ。』
『勝利の為とはいえ、我が神でないものに祈るのだぞ。効験に期待出来ねば、誰がするものか。』

兵士達にそこまで告げて、渡し舟へと眼をやるマエストロ。

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『キヌど・・・もとい、ミリ殿、もう結構です。一旦隠れて下され。』

※お家の都合により、今回の兵士固定役はキヌ殿の姉たるミリ殿が勤めた。

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陣形を開放し、騎士達を整列させ、祈りを捧げるマエストロ・・・

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『この世界を司る神よ。兵士達に守りの力をお授けください。かの邪悪な冷気から彼らをお守りください。』
『引き替えに、我々は、この戦いでダークファーザーめから奪取すべきアーティファクト、』
『その取得の、可能性そのものからを、全て供物として捧げましょう・・・』

(え・・・?まじで?・・・)(騎士一同)

祈りは約2分間続いた。目を開いたマエストロが、兵士達に告げる。

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『・・・「何も変わった気がしない」か?心配するなお前達は既に護られている。』
『私の目には見えているぞ。お前達に起こった明らかな変化が。』



ダークファーザーが姿を現した。余裕の表情で一行を見下している。

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ふっふっふ、ラヴァレッテよ、性懲りも無く、またやられに来たのか。
しかも、兵数も質もほとんど前と同じではないか・・・兵どもも哀れなことよな。


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『ふん・・・それはどうかな?』
『ダークファーザーよ。今日は貴様に、人と貴様ら悪魔との違い。人というものの真の力を教えてやろう。』
『兵達よ。戦闘開始だ。・・・突撃せよ!!

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300人の兵士たち全員が、怒涛となってダークファーザーの前面に集中攻撃を加える。
前回のような包囲を行わず。とにかくもてる攻撃力の全てを一度に叩きつけられる布陣であった。
(終盤に荒れる危険があったが、長期戦になること自体が危険であった。)

亡者たちによる横槍を減らすことを優先し、バードマスタリーによる弱体化も行わなかった。
(その分、ダークファーザー自身の攻撃力が前回より上がってしまう。)

降り注ぐ300の切っ先が、ダークファーザーの全身に数え切れぬ傷を負わせ、
あふれ出る血液が湖畔の砂を真っ赤に染める。

戦闘開始15秒で、ダークファーザーは体力の30%を失った。

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一方、ダークファーザーにも、余裕はあっても「慢心」は無かった
最初から、全力で騎士団を叩き潰しにかかる。

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「気をつけろ!また毒霧だ!・・・グハッ・・・す、吸い込むな、肺腑を・・・やられるぞ・・・」

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「か、風が渦巻いて・・・痛っ・・・血だ・・・!!」

多数で押し寄せる騎士団に対するに、範囲攻撃が非常に有効であることを
先の戦いで感得したダークファーザーは、戦闘開始と同時に、各種の範囲攻撃を、連続で繰り出してきた。

ウィザーこそまだ出さないが、
WWアタックとポイズンストライクの間断ない連射が、
兵士達全員の体力を、恐るべき速度で削り取っていった。

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『ぬう・・やつめ、学習しおったか。範囲攻撃の頻度が前回の比ではないぞ・・・間に合うか?』

戦闘開始から15秒。死者こそまだ少ないが、兵士達の残り体力も同程度まで削られていた。

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『怯むな!ここまでは互角だ!!押せ、押せっ!!』

戦場は完全に血の海と化していた。
返り血とも手傷によるものとも分からない血糊にまみれ、兵達は、遮二無二、手にした得物を振り続けた。

開戦から35秒。ダークファーザーの体力残り30%
兵士達の体力残り・・・30%・・・未満。押されていた。

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熾烈を極める戦況に耐えかね、ついに逃亡者が出る。

「あわわわ・・・もう、だめだ!俺はもうこんなのお断りだ!冗談じゃねぇ!」

しかし、続くものはなかった。

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「盗賊め!いざとなれば貴様らなどそのようなものか。」

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「我らは引かんぞ!この戦で果てた500人の仲間達のためにも!」
刺し違えても倒す!!

戦士・水兵たちは、頑として踏みとどまり、そのまま攻撃を続ける。

(だが・・・ここでアレを出されたら・・・)

果敢に戦いつつも拭い去れぬ不安。その不安を見透かすように、ダークファーザーが仕掛けた。

ククク・・・一発で全員凍らせてやろう。お前達には我が城門を飾る氷のオブジェになってもらうぞ。
怯え、苦しみ、のたうつ姿の300人からの氷像、さぞ見栄えがすることだろうな・・・フハハハハハハハ!


・・・地獄の冷気よ、現れ出で来て、善なるものを滅ぼせ!!!・・・

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「来るぞっ、ウィザーだ!!

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「っ・・・神様・・・・」

思わず、身を強張らせる兵士たち。
現状でウィザーを受ければ1発で部隊は崩壊。2発なら全滅必至である。

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ダークファーザーのウィザーは、付近で指揮していた「騎士」2名に傷を負わせた、
しかし、・・・「兵士達」は全くの無傷であった。

な・・・何っ!?・・・どうなっている!!

ダークファーザーは混乱した。再度ウィザーを唱えるが、やはり効果が現れない。

ラ・・・ラヴァレッテめぇぇぇ!何をしたぁぁぁぁ

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『ふん、知ってどうする。さぁ!!兵士達!!見ての通りだ、ウィザーは封じたぞ!
『もう一押しだ。押し潰せ!!

ダークファーザーは、混乱しつつもさすがに賢明であった。
封じられたとわかったウィザーを切り捨て、
有効な二つの範囲攻撃での殲滅へとすばやく頭を切り替えた。

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しかし、すでに遅かった
2発のウィザーが空振りするわずかな時間に、彼我の残り体力は逆転していた。

馬鹿な・・・私が・・・この私が、滅びるというのか?・・・
敵として意識する事すらなかった、小虫のごとき兵士どもの手にかかって?・・・


そう思案するダークファーザーの身体は、既に半ばまでが崩れた肉塊と化していた。
なぜ自らの決め技が封じられたのか・・・知りえぬ答えを思いつつ、ダークファーザーの意識は途切れた。

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騎士団は3度目の挑戦にして、
ついに宿敵ダークファーザー討伐を果たしたのだった。

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『ダークファーザーよ。恐らくはもう聞こえておらんだろうが、教えてやろう。』
『ウィザー封じの説明ではないぞ。人と貴様らの違いだ。』
『お前達は変化しない。お前達にあるのはいつも、ステータスとアビリティ、それだけだ。』
『前回、貴様は私の戦いを見てきたと言ったが、私の変化がお前には見えていなかったのだろう。』
『でなければ「騎士は私一人あればよい」などと、今の私が言うはずもないことが分かったはずだ。』

『人は変化し、変化させる。その応酬が新しい力を生むのだ。お前達にはそれがない。』
『貴様ら悪魔の存在は、つまるところ、我らヒトの変化を促進する「刺激」としてのみ許されておるのだ。』
『ダークファーザーよ。貴様との戦いで我らは大いに変化し、幾つもの新しい力を得た。』

『貴様の役目は終わったのだ。滅するがよい。』

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時間だけをみれば、わずか45秒間の死闘であった。(敗北した前回の戦闘は7分以上に及んだ)
短時間での討伐だったため、当初現場にいあわせたプレイヤーの誰もが「圧勝」だったと思った。
しかし、実際には今述べたごとく、まさに薄氷の勝利だったのである。

長期に渡ったDOOM侵攻作戦に参戦してくれた騎士達は以下の11名(参戦順)。
(複数のキャラで参加した騎士は、メインと思われるキャラのみ)

センベイ卿
DD卿
ベア騎士
パイドラ騎士
キカ騎士
ロウ騎士
ナルシア騎士
グリコ騎士
ゴッドファザー騎士
フォカ騎士
トリプ騎士

上記は、便宜上、直接現場で兵士達の指揮をとった騎士のみを挙げているが、
物資の確保などでさらに多くの皆さんの協力を得て、今回の作戦成功へと至った。

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『私は、本当に幸せ者だな。』
『一人、兵たちを率いて孤独に戦った日々は過去のものとなり、こんなに多くの協力と支持を得て、』
『当初、想像だにしなかった強敵たちと渡り合い、これを降すことが出来るようになるとは、』
『これこそまさに・・・』


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「あのー、マエストロ?」

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『なんだ、今いいとこだろ?邪魔するなよ』

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「そのー、ダークファーザー・・・もういっぴきいるみたいなんスけど。」

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『ああ? もう一匹だと?? ラスボスなのに???』
『・・・・・・しかたない、やるぞ。オーイ、お前達!集合、集合、再集結だよ!』

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2匹目のダークファーザーも騎士団の猛攻の前に斃れ、DOOMは、完全に騎士団の制圧下におかれた。
ヴィクトリアの魂も、800年に渡る拘束から解き放たれ、姉の待つ天界へと昇っていった。



凱旋し、騎士たちも各々の領地へと戻ったサンタンジェロ。
作戦司令室の首座で、マエストロは、ひとり、杯を重ねていた。

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そして、ひとり、言いそびれたセリフの続きをつぶやくのだった。

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『これぞまさに・・・、MMOプレイヤーとしての本懐なり・・・』

心地よい疲労と酔いが、間もなくマエストロを眠りへと誘った。


夢見るのは、勝ち得た栄光の記憶か、それとも未だ見ぬ強敵か・・・・





< NPC騎士団長物語 - 第一部・完 - >











【なかのひと、あとがき】

53話におよぶ、長い長いお話にお付き合い頂き有難うございます。
マエストロと騎士達、兵士達の冒険はまだまだ続きますが、
このダークファーザーとの戦いがいろんな意味でひとつのピークとなるであろうこともあり、
一先ず、第一部完とさせていただきました。

今後、第二部あるいは名称を変更した続編では、もうすこし簡略な内容で記していくか、
あるいは基本おなじで単純に更新をよりのんびりにしていくか・・・まだ思案中であります。

昨年夏のUO復帰から、ひたすらこのプレイに没頭し、突き進んで来ました。
いまでもまだまだやりたいことだらけなのですが、ちょっとばかりペースを落ち着かせていこうと思います。
(とかいいつつ、次の戦闘はもう片付いているので、更新のネタはあるんですが・・・)

強敵を倒す事以外にも、騎士団の活動としてやりたいこともありますしね^^

そういうわけで、今後とも我が騎士団は、活動に参加、支援してくださる公卿・騎士のみなさまを
大募集しております。コメント・うおみん・Kishidanチャットなど、どれでもいいので、
お声がけ、お待ちいたしております^^

ありがとうございました。
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マエストロと破滅の迷宮(その7:青い光)

思いつく限りの手段と、限界ギリギリの時間と労力を注いで最強の布陣を完成させた騎士団。

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ついに、宿敵ダークファーザーとの総力戦である。

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『ダークファーザーよ。もはや貴様の悪魔騎士団は壊滅。残るはお前ただ一人。』
『今日、我々は貴様を倒して新しい歴史を作る。貴様は我ら騎士団史の筆痕の一つとなるのだ。』

ククク・・・ラヴァレッテよ。 数を頼んで鼻息の荒いことだな。
見てきたぞ。これまでのキサマを・・・ かつてキサマはこう言ったな・・・
『なんとなれば騎士は私一人でよい。騎士団とはすなわち私だ』*とな。その言葉多いに同意するぞ。


*第2話「初陣inブリタニア」参照

私は部下どもを「率い」たりなどしない。ただ命じるだけだ。
すべて私一人あれば出来ること。ただ 面倒だからやらせるだけのこと。
貴様ら私を追い込んだ気でいるようだが、今の気持ちを聞かせてやろう。

ああ、面倒だ。アリを踏み潰す、その足をあげるのが面倒だ・・・。

アアアア 面倒ダナ メンドウダ メンドウダ 腹ガタッテキタゾ・・・

・・・ヨシ ヤット ワタシノテデ 殺シテヤル気ニナッタゾ ヨロコベ ヨロコンデ シネ


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咆哮とともに、迷宮の奥から、ダークファーザーがその巨体を現した。

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『突撃部隊、攻撃開始!!』

激突する騎士団とダークファーザー。全兵士が群がり寄って、八方から包囲して斬りつける。

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マエストロの詠唱がダークファーザーの打撃と魔法の威力を低減させる。

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ダークファーザーが次々と放つ骨片から、スケルトンやリッチら、死者達が立ち現われて兵や騎士を襲う。

しかし、今回は騎士たちの直属部隊が雑魚処理に徹しており、涌き出る亡者たちも順調に処理されていた。

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『優勢だな。・・・いけるぞ。』

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ダークファーザーは、しばしば真空の刃を伴う斬撃や毒の霧を発して、幾度も兵士全体に打撃を与えていたが、
選りすぐられた兵士たちは、よくこれに耐え、果敢に攻撃を続けていた。

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「この程度か!」

この時点までは、完全に騎士団が圧していた。・・・はずであった。

ははははは・・・何をしている。もっと急いだ方がいいぞ?そろそろいくぞ?

・・・地獄の底の底、凍結地獄を満たす冷気たちよ。
我が声に応えてここに姿を現せ・・・


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「なんだ?何か呼び出しているぞ?」

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『あれは・・・! まずいぞ。者ども急げ!!』

・・・我は悪魔騎士団の長、ダークファーザー・・・
・・・我が悪の猛く深きをここに示さん・・・


戦場の空気が俄かに冷えはじめ、兵たちは呼吸の困難を感じ始めていた。

・・・我と我が主の名によって命じる・・・
・・・地獄の冷気よ、現れ出で来て、善なるものを滅ぼせ!!!・・・


ダークファーザーの叫びに呼応して、青い光が兵士たちを包み込む。

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光とともに、突如として、かつて地上に存在したことがないほどの冷気が兵士たちを襲った。
一度・・・そして、僅かに間をおいて、もう一度。

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「!!・・・・ぐああああっ!」

兵達の絶叫・・・は、しかし、小さく響いた。
兵士たちは呼吸を奪われていた。身体全体の活性を奪われていた。

戦況は一変した。

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全体の何割かの兵士がこの数秒のうちに凍死していた。ほかの何割かは凍えた体で周囲を逃げ惑っていた。
残りはまだ踏みとどまって戦い続けていたが、一瞬にして兵力の過半を奪われたようだった。

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「さ、寒い・・・」

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「身体が・・・動かない・・・」

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『ウィザーか・・・くぅ、恐れていたことが現実に・・・』

死霊術に属するウィザーは、術者のカルマが低いほど威力を増す。
たった2発で、被弾した全兵士が最大HPの5割から8割以上を失ったのである。

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『引くな!ここからが正念場だ!!まだ勝機はあるぞ!みよ!やつも深手だ、守りに回ったぞ!!』
『騎士は逃げた兵士を治療して戦線へ。騎士の直属部隊は雑魚への攻撃を続行。』

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それ亡者ども。どんどん出てこい!出てきて私に楽をさせろ!!

ダークファーザーが亡者を呼び出すペースが掃討ペースを上回りはじめた。
生者は減り続け、死者達は増え続けた。

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それでも、生き残った兵士たちは戦い続ける。治療を受けた者たちも一人また一人と戦線に復帰する。

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「倒す!ここで倒す!」

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「死んだ者たちの分も戦うぞ!」

思ったよりはやるじゃないか。・・・良かろう、最後まで付き合ってやる。

それでも、兵士達の人数はすでに目算できるところまで減っていた。すでに限界だった。

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「すまん、後は頼む・・・」

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「もう、剣が持ち上がらない・・・」

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激しい戦いを経て、ダークファーザーも自らの血にまみれて苦悶の表情を浮かべていた。
残り体力も既に2割を切っていただろう。

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しかし、先に力尽きたのは、騎士団側だった。最後の一兵が倒れ、兵力は完全に枯渇した。

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『・・・撤退・・・する。』


思いつく限りの手を打って敗れたマエストロは、それだけいうと、言葉を失っていた。
茫然と立ち尽くすマエストロを護って撤退する騎士たち。

総力をあげて臨んだ戦いに敗れた騎士団。このまま、ついに悪に屈してしまうのだろうか。


マエストロと破滅の迷宮(その6:再起・総力戦準備)

翌日、目を覚ましたマエストロは、すぐさま第三次DOOM侵攻作戦の立案にかかった。

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『課題は主に戦略面にあり・・・か。』

兵士の質と量の両立。これを出来る限り短時間で騎士の負担を抑えつつ実現せねばならなかった。
死霊術を操る敵の多いDOOMへ侵攻では、兵士の選別が厳しく行われていた。打たれ弱い兵を多数揃えても、死霊術の範囲攻撃魔法で一掃されてしまう危険があるためだ。

しかし、ブリタニアに兵士は多かれど、技量と体力を備えた精鋭兵の比率は2割にも満たなかった。

この為、「精鋭限定」の徴兵は作戦時間の長大化と騎士の疲労の大幅な増大を招き、
前回作戦での混乱発生原因の一つともなった。

まして次回は、前回の2~3倍の動員数を目標としているのである。

輸送の為の物資についても問題を抱えていた。最低でも15往復分の金の骸骨が必要だった。

マエストロは、先の作戦直後に、キカ騎士(この世界有数の豪商でもある)から、骸骨10個分相当の赤骨の援助を取り付けていたが、まだ足りなかった。(最低15と述べたが、20は欲しいと考えていた。)

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『また毒部屋に篭って1万本集めるのか・・・』

勿論、可能だろう。しかし、再挑戦はかなり先になってしまいそうだった。そして何より、・・・マエストロは反復作業に著しく弱かった。

『うぐぐぐぐ・・・』
『そうだ・・・とりあえず兵士の「質」確保の為の調査をせねばな。そうだそうだ。そうしよう!』
『出かけてくるぞ!!』

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(逃げたか・・・)

雪辱はしたいが、しばらく毒部屋には行きたくない、
70歳にもなって、まだ「嫌な事は後回し」なマエストロが出て行ってしまったサンタンジェロに、


「失礼いたします。我が主、クーロン卿の使いにてまかりこしました。」





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こんな事(各種兵士の体力・スキルの調査)や、

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こんな事(精鋭兵の装備を全て破壊して、ベース抵抗調査。基礎抵抗に装備の抵抗を上乗せの模様)をして、
サディスティックに楽しんだ兵士に関する理解をさらに深めたマエストロ。帰城。

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『ふむ・・・そうか、やはり精鋭兵の供給を増やすには、非情だがアレしかないか・・・。』
『おい、お前。この手紙をあの男へ届けるのだ。人目につかぬようにするのだ。』

『それでも精鋭兵は不足するやもしれぬ。準精鋭というべき兵も採用すべきだ。』
『こいつらは、なんとか使えそうだ・・・あとは』
『誰ぞあるか、各地の港へ使いせよ。もう一人、お前はバッカニアーズデンへこの書簡を。』

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「マエストロ」

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『なんだ?今、忙しいのだ。』

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「お留守の間に、クローン卿の使者がこのようなものを・・・」

兵士が差し出したのは一片の証書であった。クーロン卿の署名と納入されるべき品物が記載されている。

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『ほう、クーロン卿とな。なかなかお会いできぬが、ご健勝でいらっしゃ・・・こ!これは!!』

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『赤骨・・・さ、三万本だと!?』
『ぬはははは・・・相変わらず極端なことがお好きでおられる。間違いなくご健勝のご様子だ。』

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『しかし、これはつまりアレだな?一種の挑発。極端な兵力を整えて笑えることをして見せろと・・・』
『・・・ある意味追い込まれたね。私(笑)。』



DOOM地下1階、たまらず悲鳴をあげたのは、ヴィクトリアだ。

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「ええ?まだあるの?いい加減にしてよー。」

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運び込まれた4万本の赤骨。

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「エエ? マダアルノ? イイカゲンニシテヨー。」

強欲鬼の腹から引きずり出された40個の金骸骨。

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※金骸骨の再取得は召喚された神兵達の直接戦闘にて行われました。協力して下さった皆さんありがとう。

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『よし、物資は整った。後は兵員徴募・輸送作戦の具体化だな。』



「マエストロ、お召しにより、まかりこしました」

執務室で机に向かうマエストロは、不意の呼びかけに振り返りもせずに答えた。

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『来たか・・・』

もっとも、仮にマエストロが振り返ったところで、そこに訪問者の姿を見出すことはできない。

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『”骨”よ。今回の仕事は「暗殺」だ。ただし数が多い。この条件に合うものを発見次第殺せ。』

手近な紙に「条件」を走り書きするマエストロ。どこから見ているのか、声が応える。

「ほお・・・兵士じゃないですか。ご自分の手勢を暗殺とはまた・・・」

『手勢なればこそよ。私が直接手を下すわけにはいかん。・・・精鋭兵確保のために必要な措置なのだ。』

「おエラい方というのも、難儀なものだ・・・」

『いいから黙って仕事し・・・、なんだ、もうおらんのか。』

骨の気配消失と入れ替わるように、兵士が入室してきた。

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「マエストロ、各地の港およびバッカニアーズデンへの使者、帰参しました。」
「いずれも、無事に務めを果たしたとのことです。」

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『よし、陣振れだ。第3次DOOM侵攻作戦を発令する!』




第3次DOOM侵攻作戦において、「兵力」とみなされ雇用されたのは下記の条件を満たすNPC達だった。
絶対条件は、予想される範囲攻撃に耐えうると期待される体力。

<精鋭兵:主力>

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リングメイル装備一式(頭部のみチェイン)で固め木盾とブロードソード装備の「男性」兵士。
高ステータス、高スキルを兼備した最強のNPC兵士達である。

<準精鋭:精鋭の不足を補う補助兵力>

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1、スタッドレザー装備一式(頭部のみ各種金属製防具)に、木盾・ウォーアックスか斧装備の「男性」兵士。
武器スキルに問題があるが、高ステータスで打たれ強い。

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2、水兵(男性)、各地の港に滞在。防具を装備していないので低抵抗だが、高ステータス・高スキル。
3、盗賊(男性)、バッカニアーズデンの盗賊ギルドおよび各地に滞在。能力はほぼ水兵と同様。

上記に当てはまらないもののうち、不揃いな装備を身に着けた「雑兵」たちは単に無視されたが、
上記兵種の「女性」兵士たちは、遥かに過酷な運命に直面した。

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配流あるいは殺害されたのである。

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「調査の結果、兵士を出現ポイントから移動させる(死亡含む)と、」
「同じ装備タイプの兵士の男女いずれかが、ランダムに出現することが分かったのです。」
「つまり、男性兵士だけを選んで雇用・輸送していれば、いずれは女性兵士ばかりになり、」
「女性兵士を移動させれば、次には男性兵士が出現する可能性がでてくるのでございます。」
「そして「配流」より「暗殺」の方が、はるかに時間的コストが低いのです・・・。」

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『苦渋の選択でありました・・・』

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「ふ・・・『泣いて馬ショクを斬る』ですか、」
「それで自分が助かるなら、いくらでも『うれし涙』が出るというものでしょうな。」

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『カルメンちゃんそれ・・・○英伝のパクリだね。ダメだよパクっちゃ・・・』


騎士たちは主に彼女らの配流を行い、粛清・暗殺は一部の騎士と”骨”が担った。
そして、この大粛清は、やはり、一定の成果をあげたのである。



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多くの女性兵士たちの犠牲、騎士たちの多大な労力、20個の金骸骨を消費して、
ついに、騎士団は地底湖畔での布陣を完成させた。
(所有する金骸骨は40あったが、作戦時間や騎士の負担等を踏まえて20往復が限界と判断した。)

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兵士の総数実に300名弱(推定)。ほとんどを精鋭および準精鋭で固めた、
質量ともにこれまでの最大兵力を一気に数倍に拡大させた大兵力となった。
すくなくともこの時点での、騎士団の動員できる最大戦力を全て注ぎ込んだ規模であるといえる。

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『それでは始めるとするか』

低く告げたマエストロだったが、高鳴る自らの鼓動音が、くっきりと耳に届いていた。


マエストロと破滅の迷宮(その5:フェロモン・最高幹部・遅い自覚)

DOOMへの再侵攻準備中のサンタンジェロ砦に、1人の少女が訪れた。

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『私に何か用かね?おじょうちゃん』

「おにいちゃんに、おじさんのところへ行けって、われたの。」

少女の名前はキヌ。ロウ騎士の末の妹だという。

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「この殺人者め!!死ねぇぇぇぇ!!」

居合わせた兵士が突然、キヌに切りかかる。

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『このたわけが!!私の客になんという狼藉か!!お前達、こやつを投獄せよ。』

切りかかった兵士を抑え、警備兵達に投獄を命じたマエストロだったが、
そのとき初めて、殺気だっているのがその兵士だけでないことに気がついた。

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『これはいかん。キヌ殿、こちらへおいでなさい』

少女をサンタンジェロ砦から連れ出し、サンテルモ号へと非難させたマエストロ。

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『ここなら安全だろう。しかし、そなた一体・・・?』

彼女は何故か、兵士たちの憎悪を買い、覚えの無い罪をならされ、襲われるのだという。
そういえば名前が赤い。しかし、彼女は殺人の罪など一度も、犯した覚えはないらしい。

「ただ・・・時々夢をみるわ。夢の中で、気がつくとお兄ちゃんやお姉ちゃん達が血だらけで倒れているの・・・」

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『そうか・・・それは、つらい思いをしただろうね。・・・しかし、それは特別な才能でもあるんだよ』

「才能?特別な?」

『そう。たくさんの兵隊さんたちを率いる、特別な騎士になるための才能だ。』
『私にも、お兄さんにも出来ない。特別な仕事ができる特別な才能なんだよ。』
『・・・私といっしょに、悪者を退治するお仕事をしないかい?』
『大丈夫、そなたのことは、私と騎士たちがしっかり守る。力を貸してくれないか?』

微笑してたずねる老人の求めに、少女は応じた。
彼女は騎士として、第2次DOOM侵攻に随行したのだった。彼女の役目は兵士たちをひきつけ離散させないことだった。

そう、それはしばらく前まで生贄となるモンスターの役目だったものだ。

「・・・大丈夫、おじさまが守ってくれる。お兄ちゃんも守ってくれる・・・」


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地底湖を渡る一行。

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1次集結ポイントにて、キヌの周辺には解雇されたレンジャー達が配置され、
彼女を守る盾となった。(解雇されたレンジャーは矢を捨ててしまうので無害)

・・・のだが、

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「死ねやこらぁぁぁ!!」

「きゃあああああ」

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「ケッ、この殺人者めが!・・・ペッ・・・」

キヌ、DOOMに散る・・・。

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『おいおい、レンジャー君たち・・・ちゃんと彼女を守ってくれないと・・・・』

キヌを兵士たちから守る為に、解雇したレンジャーで2重の壁を築いたマエストロだったが、
時間の経過とともに、レンジャーたちが逃亡し、囲いに穴があいてしまったのだった・・・。

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倒れ臥すキヌ。崩れる「三面六臂の陣」。散開する兵士たち。
再度陣形を構築すべく走り回る騎士たち。

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『すまん、キヌ殿。しかし、今度こそ大丈夫だ。今度は騎士たちが直接君を警護するからね。』

「はい、大丈夫です。このくらい。」

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初めての試みというのは、総じて上手くいかないものだが、この時もそうだった。

進む時計。疲労する騎士たち。一瞬の操作ミス。なだれ込む兵士達。

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「死ねやこらぁぁぁ!!(2)」

「きゃあああああ(2)」

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「ケッ、この殺人者めが!・・・ペッ・・・(2)」

キヌ、DOOMに散る・・・(2)。

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『おいおい、君たち~。動いちゃだめだよ~。』

倒れ臥すキヌ(2)。崩れる「三面六臂の陣」(2)。散開する兵士たち(2)。
再度陣形を構築すべく走り回る騎士たち(2)。

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『すまん、キヌ殿。しかし、今度こそは絶対に大丈夫だ。今度は◎★△◆▽☆だからね。』

「はい、大丈夫です。このくらい。(おじさま、お話がよく聞き取れないわ)」

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ようやく、防壁前での集結が終り。マエストロ、センベイ卿がテレポータから内部へ。
兵士達は「黒鍬組の坑道」から内部へと移動を開始したのだったが、既にかなりの時間を輸送に費やしていた。
そして・・・

進む時計(2)。疲労する騎士たち(2)。一瞬の操作ミス(2)。なだれ込む兵士達(2)。

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「死ねやこらぁぁぁ!!(3)」

「きゃあああああ(3)」

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「ケッ、この殺人者めが!・・・ペッ・・・(3)」

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キヌ、DOOMに散る・・・(3)。

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『おいおい、君たち。動いちゃだめだよ~。(2)』

倒れ臥すキヌ(3)。崩れる「三面六臂の陣」(3)。散開する兵士たち(3)。

再度陣形を構築すべく走り回る騎士たち(3)・・・とは、いかなかった・・・既に敵陣内である。
散開した兵士達の一部が、敵の索敵範囲に入ってしまった。

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(・・・すまん、キヌ殿・・・・・・壁越しで見えないけど、怒ってるだろうなぁ。)
(・・・正直、壁越しで良かった・・・さすがに誤魔化しきれ・・・もとい、掛ける言葉が思いつかん。)

※『おいおい、君たち・・・』とか言ってますが、何よりマエストロの準備不足が原因。
騎士のみなさん、ほんとうに申し訳なかったです。


<最後の幹部:アビスマルホラー>

慌てて前線へかけつけたマエストロ。荒い息で口上を述べんとするが、やはり息が続かないようだった。

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『さ、さぁ、お前で最後だ!・・・ゼェ・・・ゼェ・・・』

「オイ、オマエラ ナンカ ツカレテナイカ? コレ キョウ 1パツメ ナンジャ ナイノカ?」

『ゼェ・・・うるさい!・・・お前に気遣われる覚えは・・・ゼェ・・・』

崩れた陣形から突出した一部分の兵士だけで、なし崩しに戦闘に突入してしまった。
戦力を分散させられ苦戦したシャドウナイト戦が記憶に新しい。騎士団は各個撃破の危機にあった。
騎士団あやうし!!

「ククク・・・、ミズカラ ヘイヲ チラストハ オロカナ。サァ ゾンブンニ リョウリシテヤ・・・」

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この程度の兵数なら、たやすく片付けられると踏んで余裕を見せるアビスマルホラーだったが・・・

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『騎士のみなさんは、拡散した兵士の再集結をお願いしまーす』

殆どの騎士が、キヌの蘇生と安全確保の為に扉付近を動きまわるなか、
ポツンと離れた場所で兵士たちと戦うアビスマルホラーさん(悪魔騎士団最高幹部)

マエストロでさえ、チラチラとしか戦場を見ていない・・・。

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「オイ・・・オマエラ・・・コッチ・・・メイン」
(バキン、バキン(兵士のブロードソードの当たる音))

蘇生にあたっていたキカ騎士が声をあげる。
「兵士に殴られて気絶したキヌさんの蘇生が、なぜかできません。」

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「オマエラ・・・オイ・・・」
(うわぁぁぁ(倒された兵士の声))

「キシダン・・・オイ・・・」
(イテテ・・・アミサコー・・・)
(バキン(ブロソ)チュイーン(ウォーフォーク))

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『なんとキカ殿。それはいけませんな。ともかく今は、キヌ殿の蘇生と、蘇生後の安全確保を最優先で』

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「オイ!オイ!オオイ!ラヴァレッテ!オオオーイ!」
(ヤバイカモ? ボーンメイジクン カモン ヘルプヘルプ)
(ブーン(ウォーアックス)バキン、キーン(刀))

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『うるさいなお前、私今忙しいの、見たら分かるやろ!?』
『なんやの?不調和、もうもろてるんやろ!?そんならしばらく私ら用ないし、黙って兵士と戦っとけって!』

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「オ、オオ・・・ソウカ・・・ソウスル・・・ゴメ・・・デモ、ハヤメニ モドッテキテヨ?・・・」
(アー ボーンメイジクン ナンデ ソッチイクノ? ボクノ マワリノト タタカッテヨー)

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『ああ!?分かった分かった。なるべく急ぐから、もう声かけんなや。』

「キヌさん、少し兵士達から離れて安全確保しましょう。」

依然、安全確保に多忙な騎士たち。
殆どの騎士のモニタに映ることもなく、兵士たちに殴られ続けるアビスマルホラーさん(悪魔騎士団最高幹部)

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「・・・イタタ・・・」
(バキン、バキン、チュイーン、キーン、ガシン、バン、うわぁぁぁ、バキン)

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「・・・イタ・・・ヤメ・・・イタイ・・・イタタタタ・・・」
(ボーンメイジクン カモンカモン コンドコソ タノムヨ ホント)

(ガシン、バキン、バキン、バキン)

なんとなく始まってしまった戦闘で、なんとなく倒されてしまいそうなアビスマルホラーさん(悪魔騎士団最高幹部)

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「ボ・・・ボク・・・・・・ブツリ・・・ジャクテンヤッタ・・・モウアカン・・・」
(ボ ボーンメイジクン マタ?・・・ジンボウ ナカッタンヤナァ ボク><)


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(・・・ガク・・・)
アビスマルホラーさんは、物理属性攻撃に弱かった・・・・。アビスマルホラー討伐。


その後、心身・兵力ともに消耗した騎士団は、
なんとなくしまらない感じで現れたダークファーザーと、

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雑魚沸きまくりの大混乱の混戦を演じ、

4割ほどダークファーザーの体力を削った所で部隊は崩壊。
無念の撤退となったのだった・・・。


サンタンジェロへ戻ったマエストロ。解散後の執務室にて。さすがに少し元気がない。

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『ああ、今日はホントに疲れた。何より騎士たちを無駄に消耗させてしまったことにが・・・』
『あれだな。これだけ動員兵力とか大きくなると、あんまりいい加減だとダメだね・・・。』
『戦略も戦術も、もうちょっと、ちゃんと考えなくっちゃ・・・』

ここへきて、ついにマエストロも「ちゃんと段取り考えなきゃ」という、
司令官としては、あまりに基礎過ぎる基礎へと、ようやく思い至ったのであった・・・。

そして後日、未曾有の大動員作戦が発令されるのである。

マエストロと破滅の迷宮(その4:連破)

黒鍬組による防壁突破に成功し、大量の兵士を送り込み、ダークナイトクリーパーを撃破した騎士団。

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『どうも、こいつら本当に各部屋の連携も連絡も無いみたいだな・・・アホなのか?』
『まぁいいか。よーし!ダダダダダダーっと、やってしまうぞ!!』

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「おーう!!」

<第2の幹部:フレッシュレンダラー>

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戦闘開始準備完了。
先の戦闘では戦闘終了後に兵士に生贄モンバットを殺されてしまったので、
今度こそ完璧に回そうと意気込む壁外班。

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※画像ではせいぜい3-4人の兵士にしか見えないが、1マスに100人程が重なっている。

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『虫・・・だな。』

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「マエストロ、硬いです!異様に硬いですコイツ!剣が・・・」

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「こっちの手が痺れる・・・」

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※とにかくひたすら「手数」で応戦する兵士達。

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『物理抵抗80~90か、ほうほう。よかったな100じゃなくて。黙って削れ!!削ればいずれ死ぬ!!』
『虫か・・・わかっとらんなぁ。まったく。』

不調和なしで3~4、不調和ありで7~8程度のダメージ。

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『これでHP4500削るのは大変だなぁ。頑張れお前ら~♪』

兵士達は大変だったろうが、とりあえず固い以外には特になにもなかった。とにかく削って削って。

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討伐。

壁外班。すばやくリビールでモンバットのインビジを暴いて再しゅうけ・・・・

バタン!ガキン!キュウウウウウゥゥゥ

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壁外班:「・・・・・・ゴキ、いっぴきだけだったのね」

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「マエストロ、なにやら戦闘中にぼやいておられましたが?」

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『うーん、ほら、こいつ「第2の幹部」でしょ?だったらやっぱり・・・』
『決め台詞として「ほう・・・〇〇を倒したか、しかしヤツは我らの中で最弱。私をヤツと同じに考えては・・・」』
『みたいなステロタイプでカッコいいのを、ビシっと言って欲しいんだよね。』
『それなのに・・・虫だよ虫?そもそも口きけないじゃん・・・それとも「いくゴキ~」とか?』
『・・・何か燃えないよねぇ・・・』

「青い血」であるマエストロは、敵にも相応の美しさを求めるのだった。


<第3の幹部:インパラー>

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「来ました!!すでに戦闘状態に突入しています。マエストロご指示を!!」

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『また虫っぽいのきたねコレ。カルメンちゃん、やつのデータある?』

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「はい、能力は、ブリードアタック、モータルストライク、毒、毒耐性、扇動無効、範囲PM無効」
「それから、殴りがかなり強力ですね。先ほどの虫の倍近い威力ですね。」

『んー、そうか、それだけ殴りが強いと兵士は一発で死んじゃうかもね。』

「はい、そうなりますわね。ウフ♪」

『こらこら、「ウフ♪」はやめなさい。仕事中だよ。プライベートな趣味は控えて控えて・・・』

「はーい♪あ、あと、物理抵抗高いですね。」

『それもさっきと同じだね・・・。被りまくりやんか・・・。』
『っていうか、出血やらモータルやら、毒やら・・・どれもこれも地味だよね。見た目に。』

「ですね。我々毒使いませんし、煽動も、範囲PMも・・・」

『おーい、君達~!指示出すよ~。そいつさっきのヤツと結局一緒だから「とにかく殴って」。』

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(それなら言われなくてもやってるっての。)

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「あれ?消えた!テレポートか。」

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「・・・なんだこのデジャヴュ」

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『それももう見たわ!もっと工夫しろ!!』

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「逃がすなー!!」

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「この『被りボス』がっ!!」

1匹目死亡。すかさず壁外班がモンバットをリビール。

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『陣形を再構成せよ!!』

粛々と配置につく兵士達。実にスムーズな展開だ。

『さぁ、2匹目がくるぞ!コイツもう飽きたから、トッとと片付けてしまいなさい!!』

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「おおー!!」

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2匹目もさくりと倒し・・・
ドアの色が変わり開放されたのを確認して、ドア前に駆け寄るマエストロとナルシア騎士。

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モンバットを殺そうとする兵士を門前で制止する。
門外では、石壁を召喚し視線を制御、ドアへ押しかけた兵士たちも配置へともどった。

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ここで、センベイ卿がモンバットを再調教。味方であることを兵士に認識させて、収束。

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『おお、我が騎士達の指揮ぶりの、なんと見事な事か!!』

感嘆するマエストロ。討伐完了。

『にしても、やっぱり中ボスは「四天王」だよねー。無理して5にするから、こういうかぶっちゃってるのが・・・』
『盛り上がらないったらないよね・・・あとで物語にするこっちの身にもなれっての・・・』
『・・・ほんっと、分かってないわ、ダークファーザーのヤツ・・・。』

「・・・・・・・・・」


<第4の幹部:シャドウナイト>

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『きたね~。しばらくぶりに「強敵」っぽいのがさ。来たぞ~、っ迎撃!!』

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「クワッ!・・・クワッ!!ナゼ コンナニ ヘイシガ?」

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『ええ?なんであの外見で、このアヒル声なの?・・・がっかり声は古代竜だけでたくさんだよぉ』

またしても萎えるマエストロだったが、
人っぽい外見をしているだけあって、シャドウナイトは知能的な作戦に出てきた。

十分に兵士達をひきつけたところで、

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短距離のテレポート、兵士の一部を分断することに成功。さらに・・・

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もう一度、今度は長距離テレポートをくりだして、待ち構える味方のところへと、兵士達を引き込んだのだ。

「クワックワックワッ・・・誘導・分断ハ キサマラダケノ モノデハナイゾ!!」

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『むう。見事な作戦だ!・・・しかし!!ちょっとばかり誘導を頑張りすぎたようだな。もうHPが真っ赤だぞ!』
『それっお前達!!』

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「クワクワうるせぇんだよ!!このっ!!」

「クワッ!?クワアアアアッ!」

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誘導役の一匹目が、ここで力尽き、残りは2匹。

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『相手が複数でも基本は同じだ。近いほうに全員で掛かれ。もう一方には構うな!!』

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集中攻撃で各個撃破したい騎士団と、分断して兵力を削り取りたいシャドウナイト。
仕掛けたのはシャドウナイト達だった。短距離のテレポートを使って兵士たちを翻弄する。

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Tyrnak:「ハハハ コッチダ コッチ」

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Tyrnak:「ドウシタ ワタシハ ココダゾ クワッハッハッハ」

弱った方(Tyrnak)が、無傷の方(Zul)の周りをテレポートで移動し、
その都度何割かの兵士が、Zulへと誘導されてゆく。

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『ぬうう、やりおるわ。こうなってはもはや消耗戦をやるしかあるまい。』
『兵士はともかく攻撃を続行。騎士は元気な方のシャドウナイトに不調和を。』

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じりじりと互いの戦力を削りあっていく両者。

なかなか減らない敵の体力を見ながら、マエストロは焦りを感じ始めていた。
敵は、どちらかが倒されるまでは攻撃力が低下しないが、こちらは兵士が1人倒されるごとに攻撃力が下がり続けているのだ。
長期戦は基本的に騎士団に不利だった。

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『くっ、不調和がさっぱり入らんのう。・・・また失敗か。何とか持ちこたえてくれよ!!』

体力がかなり少なくなったTyrnakに攻撃を集中したい所だが、巧妙に逃げられて、
現在の所、兵力の7-8割がZulとの交戦状態にあった。このままでは、各個に撃退されてしまいかねなかった。

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しかし、これまで実に巧妙に戦って来たシャドウナイト達の連携に乱れが生じる時が、ついに訪れた。
不調和をうけ、体力の減りが早まったZulが、まだ半分近い体力を残しながら、つい、テレポートで退いてしまった。
時間的には僅かなものだったが、Tyrnakが孤立したその機会を、マエストロも兵士たちも見逃さなかった。

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『いまだ!!総員Tyrnakを集中攻撃せよ!!』

Zul:「シ シマッタ ・・・・」

それまでZulと戦っていた、主力部隊の兵士たちが、弱ったTyrnakへと殺到する。

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「クワァァァァァ」

叫びとともに、ついに倒れ伏すTyrnak。一気に形勢は逆転した。

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『さぁ、やつらの攻撃力は半減したぞ!押せ押せ!押し包め!!』

「ヨクモ ナカマタチヲ キサマラナド ワタシヒトリデ ホウムッテクレル!」

孤立したZulは、もはやテレポートで逃げることをしなかった。正面から全力でぶつかる両者。

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気力で攻撃を続ける兵士たち・・・。そしてついに。

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Zulもまた倒されたのだった。騎士団の勝利である。

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互いを磨り潰しあおうとするかのような、激しい削りあいの末、
騎士団側の残存兵力は、実に残り18人にまで減らされていた。
(始めに分断された結果生き残っていたものも含むので、戦闘に参加したものの生存率はさらに低い)

騎士団を大いに苦しめたシャドウナイト、悪魔騎士団幹部の地位に恥じない見事な戦いぶりであった。

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『もし、ヤツ達に他の幹部達と同等のHPがあったなら、運命の女神は彼らに微笑んだ・・・かもしれぬな・・・。』

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もはや兵力も騎士達の気力も限界ということで、一時撤退し、再攻勢の用意を整えなおすこととなった。


<つづく>
プロフィール

グラン・マエストロ

Author:グラン・マエストロ
UO(ウルティマ・オンライン)で、騎士団長ロールプレイで遊んでいます。キャラ名はla Vallette。NPC傭兵をこよなく愛し、愛するが故に酷使し・死なせ・搾取する。PCに対しては普通の人(多分)。

直接ダメージ源をNPC兵士に限定して、PCはそのサポートのみを行う。ざっくりそんな縛りで、いったいどこまで戦えるのかに挑戦しています。

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